出張料理人・缶詰料理王のガッキーです。

包丁を何本も使い分けるプロの料理人でも、「ペティナイフ」は欠かせない一本です。
フルーツの皮むき、ハーブの刻み、下ごしらえや飾り切り——小回りが効くこの包丁は、実は家庭でも驚くほど便利です。
ところが意外にも、家庭でペティナイフを持っている人は少ない印象です。
今回の記事は「三徳包丁で十分」と思っている方にこそ読んでほしいと思います。
この記事では、プロ目線でペティナイフの魅力と、家庭で“1本持つ”価値を紹介します。
プロがペティナイフを愛用する理由
細かい作業に圧倒的な使いやすさ
ペティナイフの刃渡りはおよそ12〜15cm。
小回りが利くので、野菜の飾り切り、パセリの刻み、フルーツの皮むきなど、繊細な作業に最適なのです。
大きな包丁では扱いづらい食材も、ペティなら自然な角度で刃を入れられます。

専門学校の先生に、「刃先(包丁の先端)が手に近ければ近いほど、手先に近いので扱いやすい」と教えていただいた記憶が強くあります。
セカンド包丁として考えている方も多いかもしれませんが、実は包丁初心者の方には扱いやすいので、包丁に慣れるのにぴったりな包丁なんです。
包丁の使い分けで作業効率アップ
プロは1本の包丁にすべてを任せません。
食材や作業ごとに包丁を変えることで、切れ味を長持ちさせ、無駄な力を使わずに作業できます。
魚を捌くときや骨を切るとき、出刃包丁を使い、肉の筋ひきをする時は筋ひき包丁を使います。
玉ねぎのみじん切りをするときは、最初にペティナイフで細かい切り込みをいれて、そのあと牛刀で切って、みじん切りにします。

ペティナイフは「小さな作業の専用機」として、キッチンの中で確実に時短と効率化をもたらします。
“軽くて疲れにくい”という強み
ペティナイフは軽いです。
だから朝のフルーツカットや、少量の食材をさっと切りたいときに便利で、あるとつい手を伸ばしがちになります。
包丁が軽いと、切るリズムも生まれます。
それは結果、料理に対するストレスを少なくしてくれて、心地よく作れるのです。
これはプロも家庭も同じです。
家庭でペティナイフが“あってよかった”となる瞬間
1. 果物カット
りんご、キウイ、柿、梨。
三徳包丁で切るとまな板の上が狭く感じますが、ペティなら手の中でスッと皮むきや芯抜きができます。

2. 細ねぎ・みつば・大葉の刻み
料理を盛り付けて、さあ配膳というときに。
たとえば…「あ、味噌汁のネギ切り忘れた!」というシーンでも、ペティナイフがあればささっとカットができちゃいます。
包丁が小さいので、その後の包丁を洗うときの心理的負担も少ないと思います。
細かく刻むとき、刃のコントロール性が抜群。
軽く手に馴染む感覚で、刻むたびに「切る気持ちよさ」を感じられます。
3. 肉・魚の下ごしらえ
鶏の筋や脂を落としたり、小魚をさばいたり。
細かい処理にペティナイフはぴったり。
刃先が繊細だから、食材を傷めずに処理できるのです。
4. 仕上げ・飾り切り
料理を美しく見せる最後のひと手間にも。
ペティナイフは刃先が自由に動くので、飾り包丁や飾り切りにも大活躍。
中華の飾り切りにもペティナイフを使ったり、実は和・洋・中問わず、さまざまなジャンルのプロも、ペティナイフを持っている人は多いです。
5. 袋をあける時に
結構、横着な感じにもみえますが、パックに入った野菜や、調味料を開けるときに、ペティナイフで刺して開けることは、プロの料理人のなかではよくあります。
大きい包丁だと危ないですが、小さいペティならではの使い方かも知れません。
もちろん、ケガしないよう十分注意したうえで使ってくださいね。
プロが教えるペティナイフの選び方
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 刃渡り | 120〜150mm前後が扱いやすい。 家庭用なら130mm前後がおすすめ。 |
| 素材 | ステンレス鋼(錆びにくい)か、ハイカーボンスチール(切れ味重視)。 |
| 持ち手 | 木製または樹脂製。滑りにくく、手にフィットするものを。 |
| 重さ | 軽すぎず、刃先とのバランスが取れているもの。 |
家庭での使い勝手を重視するなら、「ステンレス製・刃渡り13cm前後」のモデルがベストバランス。
長く使うなら、手にしっくりくる“握りやすさ”も大事です。
お手入れのコツ(長く使うために)
- 使用後はすぐに水洗い → 水気をしっかり拭き取る
- 食洗機は避ける(熱と水圧で刃が劣化)
- 木製またはゴム製まな板を使用(刃こぼれ防止)
- 定期的にシャープナーや砥石でメンテナンス
たとえ高級包丁でも、メンテナンスを怠れば切れ味は落ちます。
逆に、きちんと手入れしていると“手の延長”のように感じられるようになります。
ペティナイフは、見た目こそ小さいですが、使い勝手は大きいです。
野菜、果物、肉、魚、どんな食材にも“ちょっとした場面”で出番があります。
一本あるだけで、料理のストレスが減り、作業が美しく速くなります。
プロの現場でも家庭でも共通して言えるのは——
「切れ味のよい道具は、料理を変える」
ぜひ、あなたのキッチンにもペティナイフを一本いかがでしょうか?
シェフおすすめのペティナイフ3選
気軽に買える貝印のペティナイフ
安くはないが長く使えるミソノブランド
プロの愛用、ボブクレーマーシリーズ
ぼくはボブクレーマーの三徳包丁を愛用しております。
最後に…先ほども書きましたが、いくら良い包丁を手に入れても、当たり前ですが、使えばどれも切れ味は落ちます。
包丁は小まめな手入れがマストです。
砥石、シャープナーで適度に手入れをしましょう。
ペティナイフは小さいので研ぐのも比較的ラクです。
ご自分にあったペティナイフを手にいれて、快適でストレスのかかりにくい自炊ライフが送れることを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
