出張料理人のガッキーです。
今回はレシピ記事ではなく、
日頃から飲食業界に対して思っていることや、いま飲食業界で働いている方にお伝えしたいことを書かせていただきました。
僕は現在、出張料理人として活動しています。
仕事内容としては
- 出張料理
- レシピブログの執筆
- 料理教室
- イベント
などお店を持たず、どこにも所属せず仕事をしています。
2年ほど前に独立をしました。
それまでは、いろいろなお店や会社で働いていました。
しかし、同じところに長くはいませんでした。
最長でも4年です。
僕の経歴も少し踏まえつつ、今『飲食をつらい』と思っている方に、少しでもお力になれればと思い、書いてみました。
ぜひ最後までご覧ください。
『飲食はつらい』だから、辞めるのも一つの選択です。
ガッキーの経歴
【プロフィール】にも書かせていただいておりますが、ぼくは20歳の時、辻調理師専門学校(辻調)を卒業して、辻調が運営するフランスの学校に留学しました。
その後、当時フランスの2つ星レストランで働きました。
現在(2021年)では、なんと3つ星レストランに。
そのレストランは、最新の機材を使うレストランでした。
エスプーマや、液体窒素といった前衛的な料理が多かったこのレストラン。
現地にある辻調フランス校と合わせて1年間、経験を積みました。
帰国後、東京で就職してクラシックなフレンチを作る高級レストランに就職しました。
しかし2年後にそのお店は閉店してしまい、シェフの紹介で高級ホテルに就職します。
メインダイニングのストーブのポジションにつき、毎日約200名様分のメインを焼いていました。
その後、名古屋に帰ってきました。
そこからビストロ、デリやケータリングをするカフェ、バイキングレストラン、焼き鳥屋も経験しました。
この間、
- 閉店したから仕方なく辞めた
- 金銭的に苦しくて辞めた
- 精神的に苦しくて逃げるように辞めた
- 次のステップを、と思い辞めた
- 経験したことのないことを学びたいと思い辞めた
- 独立するために辞めた
と理由は様々です。
そして学生時代は、ダイニングバーや回転寿司でもアルバイトをしていました。
学生時代から独立するまでの12年ほどの間で、10店舗ほど職場を変えています。
僕の経験した飲食店をまとめると、こんな感じ。
- 回転寿司(学生時代のアルバイト)
- ダイニングバー(学生時代のアルバイト)
- フランスの2つ星レストラン
- 西麻布のレストラン
- 一ヶ月間住み込みした軽井沢のレストラン
- 東京の高級ホテルのメインダイニング/バンケット
- ビストロ
- デリ/ケータリングも経験したカフェ
- 野菜中心のバイキングレストラン
- 焼き鳥屋
こうやって見ると、自分でもびっくりするくらい職場を変えてます。
しかし飲食業界では、これで普通くらいの経歴なんだと思います。
飲食店では「転職」や「辞める」は、わりとよくあることなのです。
辞めること=悪いこと、というわけではありません。
むしろ『新しいスタートラインに立てるチャンス』なのです。
飲食業は転職が多い?!
僕の知っているかぎり、勤続◯◯年という方は大きいホテルや飲食店に多いと思います。
しかし、大半は5年前後で辞めてしまう方が多いように感じます。
なぜ、飲食店は転職が多いのか?
僕の経験等を踏まえてご説明します。
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①スキルを覚えたから次のステップへ
意識や向上心の高い人、野心家の方は、次へのレベルアップにと違うところへ転職することが特に多いです。
お店によっては機材や扱う調理器具、食材によって作れる料理が限られることもあります。
レストランで扱える高級食材も、ビストロではあまり使えない。といった違いですね。
そのため、更にいろいろなスキルを身につけるために転職をします。
②条件(給料や休暇、福利厚生など)が良いところへ
今のお店や会社よりも条件がいいところは、きっとたくさんあります。
例えば給料や休暇、労働時間を考えます。
ホテルや大手の飲食店は個人店より条件がいいところが多いこともあり、結婚したらそちらに移るという方もいます。
じゃあ個人店は条件が悪いか?というと、必ずしもそうではありません。
大きい規模だと、自由度が低かったりルールが厳しいことがあります。
個人店だと逆に自由度が高く、いろいろなポジションを短期間で経験できるので、スキルが身につくのが早いのです。
ざっくりとまとめて言ってしまうと、
給料や休みで言えばホテル・大手飲食店
スキルや自由度で言えば個人店
実際、このどちらかの条件を求めて転職する方も多いです。
③本命のお店が空くまで働く
僕の友人にもいたんですが、
『このシェフの味を学びたい』
『この人の元で働きたい』
など、働きたいお店や、つきたい人がある(いる)人もいます。
しかし、やはりそういうお店は、働きたいという人が他にもたくさんいます。
そのため、空きが出るまで違うお店でアルバイトとして働くという人もいます。
④レシピが集まる
いろいろな所で働くとそのお店や、シェフのレシピを習得できるようになります。
同じ料理でも、人によって作り方、材料、行程が違ったりすることもあります。
ひとつのレシピよりいろいろなレシピを見て、実際に自分で作ってみて、いいと思ったところを取り入れて自分だけのレシピを完成させます。
その自分だけのレシピを作るために、いろいろと転職する方もいます。
⑤しんどい、きつい、つらい。気になる「人対人」問題
転職を考える理由の中で特に多くあるのは⑤ではないでしょうか。
僕も始発で出勤し、終電で帰る生活をしていた時期がありました。
罵倒されたり人格を否定されたりと、肉体的にも精神的にも参ってしまったこともありました。
その時は、無理せず休みましょう。
僕は約3ヶ月間、この理由で休みました。
飲食だけが全てではありません。
ここで少し時間を置き、しっかり考えることが大切だと思います。
この期間、僕は本を読んだり、いろいろな人と会ったりすることで気持ちを整理しました。
もし、ここで『飲食ではない』と選択したとしても、それも悪いことではないのかなと思います。
転職をすることで違うジャンルを経験するのもアリだと思うからです。
違うジャンルを経験して飲食に戻るのもプラスになります。
決して遠回りになるとは思いません。
ただ、僕は3ヶ月料理から離れて思ったことは「やはり料理が好きだ」ということでした。
そして、飲食業界に復帰したのです。
一つ言えるのは、休んだことで『働くことへの意識』が変わりました。
そして、強く思いました。
『飲食の働き方』を変えてみせると。
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飲食の転職方法
さて、では飲食店から飲食店へ転職、
もしくは、他の仕事へ転職と考えるとどのような方法があるんでしょうか?
両方含めてご紹介します。
①紹介
『コネ』になるかもしれませんが、シェフの紹介や先輩の紹介などで入る方法です。
推薦のような感じなので、転職は成功することが多くあります。
それに加えて、今のポジション(役職)もしくはそれ以上になることもあります。
デメリットとしては、やはり紹介してくださった方の顔を汚してしまってはいけないということです。
辞める時には、それなりの覚悟とか決意が必要です。
②食べに行って、電話や直接お話して申し出る
結構多いのがこれですね。
僕も昔、お客さんとして行ったお店が美味しいと思ったので「雇ってください」とお願いし、次の日から働いていた。なんてこともありました。
自分で食べたうえで気に入った所で働けるので、目指す味を学ぶことができます。
だたしこれも、下調べなしの勢いだけで決めてしまうと、デメリットがあるのかと思います。
金銭面や労働条件の話をせず、のちのち条件を変えることができず困る場合もあります。
『美味しいから』『この味を覚えたいから』給料関係なしにここで働こうと思えるならいいのかもしれませんが。
そこはしっかりと話し合いましょう。
僕は若い頃、この話を曖昧にしたまま始めてしまったことがあり、苦い思いをしたことがあります。
③先輩の独立に
一緒に働いたことのある先輩が、独立する際に引き抜いてくれる場合があります。
今の条件より、いい条件で雇ってもらえる場合もあります。
少なからず気に入ってもらえているということだと思うので、人間関係も良好のまま働き始めることができるかもしれません。
ただ、この独立後は予期せぬことも多く、これまでは仲がよかったのに急に険悪になることもあります。
条件だけではなく、先輩の経営ビジョンや方針などもしっかりと話を聞いてから決めましょう。
④ヘッドハントされる
難しいかもしれませんが、ある程度名前が知れ渡ったり、カウンターなどでお客様に気に入ってもらえた場合、極稀にヘッドハントされることもあります。
当然引き抜きなので、給料はよくなることが多いです。
しかし、ここも先輩の独立同様、経営ビジョンや、どんなことができる(できない)のかをしっかりと聞かないと、のちのち苦しい思いをすることがあります。
⑤転職サイト
一番手っ取り早い方法がコレです。
なかなか時間が取れないことが多いので、サイトに登録したり、探すのは簡単にできます。
飲食業とは違う他の仕事につくには、まずここで情報収集するのがいいと思います。
とりあえず登録だけしておいて、時間のある時に探してみましょう。
転職サイトとしては、
リクナビNEXTやはたらいく、 MIIDAS(ミーダス) などがあります。
また、飲食に特化したサイト【飲食店特化の転職支援フーズラボ・エージェントbyCuolega】 があります。
フーズラボは地域限定(東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山)なので、関東の食の仕事で転職したい、とか今よりいい条件のところを探したいって時にはおすすめですね。
・飲食特化型の転職サイト>>>>【飲食店特化の転職支援フーズラボ・エージェントbyCuolega】
または『調理師WORK』は全国に対応しています。
・飲食特化型の転職サイト>>>>非公開求人多数!ブランクがあっても安心の転職支援なら調理師WORK
この場合のデメリットは、
雇用条件はわかりますが、どんな料理が学べるかはネット上ではわかりません。
店の雰囲気、料理の味を知るためにも、ここだと思ったところには必ず食べにいきましょう!
行かないと本当に後悔しますよ。
飲食以外の仕事につく場合は、しっかりと情報を集めましょう。
会社の評価や業績などもしっかり調べましょう。
お店だけではなく、経営する親会社もしっかり調べましょう。
また、自己診断や強み、苦手なことなども把握することも、転職においては大事です。
そんな時はこの『ストレングスファインダー』がおすすめです。
⑥独立やフリーランスへ(間借りやイベント出店、キッチンカーなど)
今はフリーランスで働いている方も増えています。
飲食で仕事をほどほどしながら副業をしたり、フリーランスとして働いたり。
働き方も様々ですね。
記事を執筆するライターを目指したり、クラウドソーシング、ブログ執筆などもひとつの方法です。
雇われるのがいやなら、自分でお店を出して、独立することも視野に入れるべきかなと思います。
つらいと思っている君へ。辞めることは悪いことではない
辛かったら辞めてもいいと思います。
飲食業は、想像以上に過酷です。
僕の専門学校クラスメイトの8割は、もう違う仕事をしています。
- 肉体的にしんどい
- 精神的に追い込まれる
- 給料は安い
- 休みは取れない
これだけではないときもあります。
人格を否定されることがあったり、まるでコマのように扱われて安月給だったり。
友達の結婚式に参加したいと伝えても、休むことすら許されない。
【人の幸せを祝えない人間が、食事で人を幸せにできるわけない】
僕はそう思います。
飲食でない仕事につくこともいいと思います。
副業が推奨されてる時代です。
他で仕事をしつつ、曜日限定でレンタルキッチンを借りてカフェを営業してもいいと思います。
飲食が全てではありません。
きつい飲食業ですが、いろいろな働き方があります。
スローな感じでできると思ったカフェでも、実態は結構過酷だったりするのです。
高級店でコース料理が作りたいと思っても、実は賑やかなビストロの雰囲気が自分には合ってるかもしれません。
これは経験してみないとわかりません。
『将来自分のお店を持つ』や『料理長になる』の2つしかゴールがないように思える料理業界ですが、実はこのご時世、いろいろな働き方が出てきています。
- 店舗を持たず出張料理で腕を振る舞う
- キッチハイクや持ち寄りの会をする
- 料理教室を運営する
- ブログでレシピを公開する
- 土日だけ営業して、お店はレンタルキッチンとして貸し出す
など、もっともっといろいろな働き方があります。
仕事が全てではありませんが、多種多様な働き方ができるように、いろいろな所で経験を積んで、この閉鎖感のある飲食業界の常識をぶっ壊してやりましょう!
ガッキーはチャレンジして頑張っていきます。
今の状況、お店が全てではありません。
一度、客観的に飲食の仕事や、他の仕事もみてみましょう。
まずは、どんな求人があるか探してみて『つらい』状況を自分の手で抜け出しましょう。
まずは行動!です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
ただ今読者募集中です。
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